純血種の証は血統書ではない?



純血種の証は血統書ではない?

純血種と血統書

純血種と血統書

オオカミの純血種の父親と母親から生まれた子供は、間違いなく純血種のオオカミの子供です。通常、自然界の動物は他の動物とは交配しませんから、自然に種の純血は守られています。弱肉強食の自然界に於いては交配よりも生き抜くことが優先されますから、他の種と交配することを考える余裕など無いのです。

同様に一般の飼い主の家庭に生まれた純血種の父親と母親から生まれた子犬は純血種で間違いありませんが、正式な手続を踏んで申請しないと血統書は貰えません。人間の子供の場合も、親が出生届を出さなければ子供の出生が認知されないのと同じです。

そして、子犬の血統書は基本的に純血種の同じ犬種同士から生まれた子犬にしか発行されません。しかも、個人での血統書の申請は受け付けない団体が多く、ペットショップなどの代理店が窓口となって血統書の申請をします。

また、団体によっては父犬のDNA登録が必要な団体や、母犬と生まれた子犬全頭が映っている写真が必要な団体もあります。


血統書の意味

血統書の意味

血統書の本来の意味は純血種を守り証明するものですが、犬や猫の血統書は公的に管理されている訳ではありません。従って、登録団体の手続や管理に基づいて「血統書(血統証明書)」が発行されていますが、繁殖を考えないのであれば血統書を持っていてもあまり意味はありません。

例えば、血統書は会員(繁殖者)に対して発行されますが、名義を変更しない限り購入時には繁殖者の名義になっています。犬の所有者である飼い主と登録上の所有者(名義人)とが異なることになりますが、これを飼い主の名義に変更するには変更手続きが必要です。

変更手続は、まず、登録団体の会員になることが求められ、その後、変更手続が行われます。

従って、血統書は会員以外が持っていても役に立たないもので、繁殖しない犬にとっては出生を証明するだけのものでしかありません。

つまり、純血種を守るためには血統の登録は必要なものですが血統書に拘り過ぎると目の前の犬ではなく証明書でしか犬を判断できなくなってしまい、血統書と言う紙切れの偶像崇拝になってしまいます。